■吉留の槙(イヌマキ) | ||||||||
イヌマキはマキ科に属し雌雄異株で、暖地の山林に自生する常緑の高木で、適潤地を好み海岸林に多く、耐陰性・耐潮性があります。 コウヤマキのホンマキ(本槙)に対して材質が劣るというのでイヌマキ(犬槙)と呼ばれたそうです。本樹は刈り込みに耐え、耐水性・耐蟻性に強いので海岸近 くの高生垣として、あるいは庭木として植栽されています。材は風呂桶、土木、建築、器具などに用いられ、琉球地方では現在でもなお用材として珍重されてい ます。雌株の果実は、人形の形をしており、紅熟して柔らかくなると甘く食用されます。 普通に見られるイヌマキは栽培されたものが多く、本樹は雄株で庭木として植えられたもので、充分に枝を張り見事な樹相を呈しています。また、イヌマキは年 数を経た大木でも胸高直径30cmないし60cmくらいですが、本樹は150cmに近く、まれに見る老巨木で、樹齢も700年から900年くらいとみられ ています。 本樹は「宗像進考記」に出ている赤間岳山城主の家臣、高山少将の庭園の樹です。なお、当県ではイヌマキの群生地として宗像市の鐘崎織幡宮が有名で、同じく福岡県指定天然記念物に指定されています。 |
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