■大悲王院のビャクシン | ||||||||
ビャクシン(イブキ)は、沿海地に点々と見られるヒノキ科の常緑針葉樹で、庭園にも植えられます。雌雄異株の高木で高さ20mに達し、密に分枝して円錐形の樹形をなし、幹はときに著しくねじれます。 本州、四国、九州北部、韓国、中国に分布しており、伊豆半島大瀬崎の自生地は天然記念物に指定されています。 また、茨城県高萩伊吹山に自生するので、息吹柏槙からイブキの名を生じたといわれています。 心材は紫赤褐色で芳香があり、床柱、家具、彫刻材に用います。和白檀と称することがありますが、その芳香はほんとうのビャクダンとは異なります。ビャクシ ンの園芸品種であるカイズカイブキは、枝がねじれて針状葉のない一型をなしており、挿し木で増やして温暖な地方に広く植えられています。 当木は、地表より2本の主幹に分枝しており、かなり老樹ですが、なお樹勢は盛んで枝葉を繁らし、ビャクシン特有の樹形をなして美観を呈しています。 |
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