ヒラタムシの仲間で「サビカクムネヒラタムシ」が干しシイタケを加害することが分かりました。 同じヒラタムシの仲間で、シイタケを加害することが知られていたのは「ハウカクムネヒラタムシ」ですが、それとは別の種類です。 学名や科名は次の通りです。 サビカクムネヒラタムシ( Cryptolestes ferrugineus Stephens ) 甲虫目チビヒラタムシ科 平成19年8月に、当森林センターへ加害を受けた袋詰め干しシイタケが持ち込まれ、調べたところサビカクムネヒラタムシの成虫と幼虫が見つかりました(写真-1)。 成虫は茶褐色で体長2mm程度の小さな甲虫です(写真-2、3)。 もともと貯蔵穀物の害虫として知られ、世界中に分布しています。 今回、干しシイタケも新たな被害対象となることが分かりましたが、シイタケがあれば他の餌が無くても成虫まで育つことも明らかになりました。 この虫がどの時期に袋の中のシイタケに侵入してしまったのでしょうか。 シイタケを乾燥させる時は高温処理をするため、乾燥後の袋詰め前にシイタケに付き、袋の中で繁殖したと思われます。 被害を防ぐため、シイタケの品質を落とさない範囲での高温乾燥や冷凍処理を行って、防虫や殺虫ができるかどうかを研究中です。 文献 図説貯蔵食品の害虫(1989)吉田敏治・渡部直・尊田望之 共著 全国農村教育協会発行 |
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