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間伐方法の違いと作業の能率(研究成果から) 1本あたりの伐倒時間は、列状間伐が25秒、定性間伐は40秒でした。 列状間伐は、機械的に列方向に倒せばいいのに対し、定性間伐は掛かり木に注意しながら伐倒方向を慎重に決めなければならないためと考えられます。 主索式のタワーヤーダで集材する場合の作業効率は、下表のとおりで、列状間伐が定性間伐に勝っており、搬出コスト低減に有効な間伐方法と考えられます。
表-作業効率 |
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横移動 |
荷掛け |
横取 |
合計 |
本数 |
材積 |
効率 |
効率 |
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秒 |
秒 |
秒 |
秒 |
本 |
m3 |
本/時間 |
m3/時間 |
定性1 |
449 |
142 |
818 |
1409 |
17 |
4,087 |
43.4 |
10.4 |
定性2 |
276 |
294 |
580 |
1150 |
15 |
4,273 |
47.0 |
13.4 |
列状1 |
507 |
59 |
61 |
627 |
17 |
6,635 |
97.6 |
38.1 |
列状2 |
326 |
322 |
368 |
1016 |
18 |
4,087 |
63.8 |
14.5 |
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間伐方法の違いと残存木の胸高直径階(研究成果から) 定性間伐では直径の小さい方の本数が減っているのに対し、列状間伐はいずれの直径階もほぼ均等に減少しています。優良材生産を目指す場合は、数回の下層間伐実施後か、残存列の劣性木も併せて伐採するのがよいと考えられます。
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気象害等について(研究成果から) 列状間伐は、風雪害を受けやすいのではないか、また、伐採列に接する木は偏奇成長をするのではないかと危惧されています。 しかし、今までの実行事例によると、風雪害において特に顕著な被害の報告はありません。また、列状間伐を行った場合、残存木の伐採列側の枝は、光環境が改善されたため伸長率が高くなり大きく成長しますが、樹幹(材)の偏奇成長は認められませんでした。 列状間伐は残存木の保育を考えた場合、成長に対する間伐の効果は安定間伐と同じであり、材の偏奇成長もみられないことから、有効な間伐方法と考えられます。
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