測樹のお話
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森林を健全に育て維持していくには、長い年月がかかります。 その途中で、樹木の数量や変化を測定して、いままでの森林の育て方が適切であったかを調査し、将来の計画をたてる必要があります。そのためには、まず今の 森林の種類、数量、大きさなどを細かく調査して記録しておきます。記録した台帳は森林簿と呼ばれ、日本全国可能な限り調査してあります。 調査の方法に「測樹」があります。簡単に紹介します。 木の量は、体積で表し、材積(単位はm3)といいます。材積を計算するには、木の直径と高さを測ります。 全部の木を測定することを毎木調査とよび、普通この方法が用いられています。 |
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1 木の直径を測る | ||||
木の直径は、地上(根元)から1.2m(北海道以外)の高さ(胸高直径といいます)を測り偶数で表します(奇数は切り上げます)。また、変形した木は直角方向の平均値を、急な傾斜地は斜面の上側から測ります。 輪尺とよばれる、2cm目盛り(括約といいます)になっている測量器具があります。また、木の周囲を測れば直径が表示されている測量テープもあります。 |
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2 木の高さ(樹高)を測る | ||||
森林に関する研究や林業では、木の大きさは高さ(樹高)や、地上から1.2mの高さの部位の直径(胸高直径)を測って、その値を元に計算される幹の体積(材積)で表します。 それでは、木の高さはどうやって測るのでしょうか。 木の高さを測る方法として、木の横に目盛りが付いていて伸縮自在のポール(測(そっ)棹(かん))を立てて直接測る方法と、木からの距離(水平距離)を測り、木の根元と木の梢の角度を測り、計算によって求める方法があります。 測棹で測るときは、木と同じ高さになるまで測棹を伸ばし、その時の目盛りを読んで木の高さとします(図-1)。 これは、一般的に高さ12m以下の木を測る場合に使われます。 |
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図-1 測棹による樹高測定 | ||||
それより高い木になると、木までの距離と、木の根元と梢の角度から木の高さを測る方法が使われます。 その道具に、ワイゼという機械があります。 これは、木までの距離を巻き尺で測り、ワイゼの中で距離と角度の関係を読み取ることで、木の高さを測るものです(図-2)。 しかし、山の中で巻き尺をもって1本、1本距離を測るのは大変な労力です。 現在では、木までの距離をレーザーや音波で測定する装置と角度を測る装置を組み合わせ、内蔵した計算機で木の高を表示する機械が開発されています。 |
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図-2 距離と角度による樹高測定 | ||||
3 木の量を計る | ||||
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